2017月12月11日(月)〜19日(火)

2016年の5月に体調不良で倒れて全ての連載や仕事を一度辞めたり、そこから今年の頭にのっそり復帰したり、で、ボチボチやっているうちに新しい自転車のこぎ方がわかってきたり。そんな日々に夢中になっていたばかりに、すっかりこのブログのことを忘れてしまっていた。
はてなブログばかりが花咲く現世で、まだまだ(無意味に)はてなダイヤリーでふんばっていこうと思う。
枯れ果てたシクラメンプランターに、気まぐれで水を与える団地妻の気分で、久々にブログを書いてみる。今月半ばの東京での出来事と、そこで考えたことなど。書いておかないと忘れそうなこともあるので。

12月11日(月)
早朝に浜松町に到着。東京の家に帰る。風呂入ってから寝る。
16:00に日テレへ。エレベーターから見える富士山がとても美しかった。K氏やO氏に協力をいただきながら、「theW」の裏でミッションを遂行する。スパイ気分。本番終了後、O氏と日高屋で乾杯して、タクシーで新宿まで。テルマー湯で仮眠。テルマー湯は仮眠界の最高学府。

12月12日(火)
朝、新宿から一度家に帰って、ちゃんと寝る。13:00に新宿眼科画廊でDr.MaDBOY 第7回公演「新しい車を買おう」を観劇。田中と畑中という、私の現人生における「二大タナカ」が出演している、見逃せない舞台。ちなみに演出助手は私の現人生における「一大オーサワ」こと大澤。客席には「一大ウライ」こと浦井もいた。
どんなものでも車に変えてしまうことのできる鍵を手に入れた女性が主人公。ひょっとしたはずみでボーイフレンドを車に変えてしまい、その車に乗って家族の業から逃げまくる、というふざけてるんだか悲壮なんだかよくわからない作品。よくわからないなりに面白かった。演劇なんていうお金なさげな世界において、お金のなさが全然匂ってこない企画デザインも素晴らしかった。演者全員の靴が白いとか、好きー。
一緒に観に行ったKさんと「ひつじや」からの「ネコバー」。ラムのたたきを食べ、赤ワインを飲みながら、互いの2017年内に聞いたゴシップを交換する。飲み倒し、喋り倒した。

12月13日(水)
午前中、家で作業。来年の出版物についての企画書など。
13:00から来年前半に構成を担当する舞台の打ち合わせ。11日に日テレでたまたま会えたナイスガイが顔出してくれたので、スムーズに話がまとまっていく。18:00に千代田アーツ3331へ。浦井やスタッフさんたちとギャラリー見学。来年3月にここで男性ブランコがライブをやるため。鬼の笑いを誘うかのように、来年のことばかりやってるな。あと昨日も今日も浦井と会ってるな。
終わりに上野の王将で餃子を食べて、帰宅。少しだけ作業して寝る。

12月14日(木)
よく寝る。
14:00から渋谷のロフト9で打ち合わせ。来年何本かここでイベントをやる予定。店長の石崎さんと企画の話をしてから、あとは散々ゴシップを話す。石崎さんはどんな話でも笑って聞いてくれるので、たぶん大麻とかやってるんだと思う。
終わってから少し時間が空いていたので、「ミッケラー」でビール。店内はクリスマス仕様になっていた。スタバ感覚でビールを飲んでいる外国人たち。渋谷はますますどうかしてきている感。
17:00にG社の編集担当・Mさんと打ち合わせ。来年中に四本の出版物を進める予定で、そのうちの一本について。面白い本になると思う。
19:00から自分が幹事の忘年会。これは最初、ポパイのYさんとうるし漫画家の堀さんと三人で忘年会でもやりますか、と言っていたのが、いつの間にか自分の編集担当さんたちも何人か来ることになり、じゃあ今年仕事でお世話になった人には声をかけてみるか、と連絡をまわしてみたところ、一気に30人以上の参加表明があがり、20人席しか用意していなかった幹事の自分は非常に慌てたという、まあそういう会。声かけそびれた人、ごめんなさい(一応)。みんなシャイな人たちなのに、初対面同士でがんばってくれて、ありがたいやら、なんやら。ナツノカモくんとZAZYと大橋裕之先生と國松のテーブルがやけに濃くて遠目から見ていて面白かった。田中さんが最後に嬉しい言葉を残して帰っていった。久々に会えた竹内佐千子がクリスマスプレゼントをくれた。装丁家のKさんからありがたい励ましをいただいた。編集界一の美人・Mさんとカモくんは同じ高校だった。TさんとSさんとMさんと死後くんのテーブルは「この世の煮こごり」みたいな異様な空気を醸していた。Yさんは「オシャレ」についての解釈を教えてくれた。Mさん(Mさん多いな)は案の定ベロベロだった。Kさんもベロベロだったので「テレビ界のジミニー・クリケット」ことNさんに送ってもらった。Yさん、Rくん、Iさん、Kさんたちはコミュニケーション能力高いので放っておいても大丈夫そうだった。その他、諸々。つまり楽しい会だった。そして、堀さんは結局欠席だったという。
AM2:00ごろにお開きとなり、落ち着いて飲めなかった幹事に気を遣ってくれたのか、カモくんと、今年一緒に鳥の図鑑を作ったIさんが声をかけてくれて、3人でひっそり二次会をやる(後日、カモくんに『あんだけ忘年会で人が集まっておいて、二次会が3人なんて、お前、友だちいないのな』とはっきり見抜かれる)。
良い夜でした。みなさん、今年もお世話になりました。早朝にタクシーで帰宅。

12月15日(金)
起きたら二日酔いなのか風邪なのか疲れなのか、布団から立ち上がることができない。UさんとIさんと書籍の打ち合わせがあったのだが、キャンセルさせてもらう。ああ、ドタキャン。今年最初のドタキャン。布団の中に潜っている間、石化した「ドタキャン」の文字が上からのしかかってきて、うんうんとうなされる。するもんじゃないな、ドタキャンなんて。
夕方から楽になってきたので、Iさんに謝りの電話。そのまま来年についての長電話。
鍋の準備。我が家に芸人たちやスタッフさんが集まって、忘年会第二弾。深夜まで。ゲラゲラ笑う。朝、ドタキャンした男とは思えない。

12月16日(土)
明け方、みんな帰っていく。映像監督のRだけ残って、だらだら喋る。
「来年、スパイク・ジョーンズに企画持っていこうよ」という衝撃的な提案をRがしてきておかしかった。Rは本気だからすごい。Rとは来年5月頃、一か月間一緒にNYで暮らす予定。ふたりとも財布に二千円しか入ってない人間なのに、大丈夫なんだろうか。あと、「一か月NYで暮らす」って明らかにいけすかないワードだな。
15:00に家を出て、ライブ「ホロッコジャム」ラスト。今年の3月から毎月一回やっていたホロッコ主催のライブで、自分は企画統括(途中から制作)として入っていた。ラストということで、ホロッコの演目は「さよなら小津さん」。
二年前、ユーロライブで「ホロッコレクション」というライブのプロデューサーをやった。ホロッコの持ちネタコントを軸としながら、川田十夢さん、ラブレターズの塚本くんら外部作家にも台本を書いてもらうという試みのライブで、この時に男性ブランコの平井氏にも一本書いてもらった。それが「さよなら小津さん」で、自分にとって思い入れのある一本でもある。
二年前に初めて上演された「さよなら小津さん」は、その後、2016年の5月に小さな劇場で再演されている。で、私はその再演を観れていない。なぜならその日に、私は倒れているからだ。
そして再々演を迎えた本日、私はやっと「さよなら小津さん」を二年ぶりに観ることができた。演出が(おそらくあえて)二年前の初演と同じにしてあって、私はそれを複雑な気分で眺めていた。良い複雑さであったように思う。
終わってから打ち上げ。与座よしあきさんと写真を撮ってもらった。すいません、オンエアバトル世代なものでして。

12月17日(日)
なんだかんだで朝まで飲んでしまった。楽しかった。
平井氏に誘ってもらって、お茶。「多摩動物公園って、イイよ〜」「鳥羽水族館もイイっすよね〜」といった、お前たちはグリーンピースか、みたいな会話。それからラブレターズの単独を観に行く。客席には川田十夢さん。音楽には、今年岡山のフェスでMCやった時に出会ったおとぎ話。様々なものが、まだ続いているようだった。
塚本くんが作るコントは、絶対的にコントで、なにか余計なものが挟まったりする隙がない。それでいてコンセプチュアルやデザイン的なものに落ちていかない、実に不思議な筆跡。たぶん、塚本くんは変態なんだろう。ここのところ足を運んだ劇場の中で、一番多幸感が漂っていたように思う。
夜、今年たくさん現場を共にした作家仲間とささやかな忘年会。この忘年会のために一年働いてきたのだと思った。

12月18日(月)
午前中、作業。
来年やるライブの予定と、来年やる活字の予定をまとめる。
自分は「ライブで演芸」と「紙でルポ」を生業にしている者で、現在「紙」のほうは自分のプロジェクトをやらせてもらっているが、「ライブ」のほうは誰かのプロジェクトへの力添えをさせていただいている範囲に留まっている。
今年一年間、自分主宰でのライブはやらなかった。というのも、私は2年前までミラクルパッションズというカンパニーでコントを書き演じていたのだが(つまりそれが私の『ライブ』プロジェクトであった)、とある理由から現在それが活動休止状態に陥っており、またどうして活動休止状態に陥っているのかをまだお客さんたちに説明できていないという現状でもあり、まずはここを処理しなければ、自分の新しい「ライブで演芸」プロジェクトは立ち上げてはならないだろう、コントをやってはいけないだろう、といういましめのようなものを自分に課しているのである。略して、いま課し〜。
で、来年の予定をまとめているうちに、ぼんやりと「来年はミラクルパッションズをやるか」と決めている自分がいた。というわけで、来年は自分の活字も、自分のライブも、両方やります。たぶん。
昼過ぎに家を出る。渋谷に向かう途中でカジくんと偶然すれ違う。14:00から渋谷の∞ホールでとあるユニットと初顔合わせ&軽い打ち合わせ。来年の話。16:30からKさんの事務所でとあるライブのフライヤー打ち合わせ。終わってからもう一回∞ホールに戻る。そこで光永ちゃんやすゑひろがりずさんにばったり会ったりして、なんだか「私的2017年」ダイジェスト版みたいな一日だった。カジくんも光永ちゃんもすゑひろがりずさんも、今年会った中で特に印象的な人たちだったわけで。
家に帰って、連載中の「教職課程」のコラムを書く。テレビブロスでやってた「夜の墓場で反省会」を思い出すようなコラムが書けた。紙の上でネタができているのだから、あとは舞台の上でもまたネタをやるだけだな。

12月19日(火)
大阪へ。梅田のタリーズでせっせと原稿を書く。うどん食べて、551で肉まん買って、バスで鳥取へ。年末は鳥取で過ごす。氷ノ山を越えたあたりで雪が積もっていて、引く。
来年は一か月のうち、三週間が東京で、一週間が鳥取というペースになると思う。